行政書士試験は独学で合格を目指す方も多い人気の資格試験です。独学で合格を目指す上で、テキスト・参考書選びは最も重要と言えます。
行政書士試験用のテキストは何種類かあります。同じ出版社からも複数のシリーズが出ており、どのテキストを選べばいいのか迷ってしまうでしょう。
今回は、行政書士試験に合格した私が実際に利用した参考書を元に「おすすめのテキスト」について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
なお、行政書士試験を独学で合格するには、勉強のテクニックも必要なため併せてチェックしておきましょう。
- テキストの購入前にはサンプルをチェック
- 独学に定番のテキストは『出る順行政書士』
- 法律系予備校の大手出版社のテキストが人気!
行政書士の独学におすすめのテキストを選ぶポイント
行政書士試験用のテキストを購入する前に、まずはテキストを選ぶポイントを抑えておきましょう。
各テキストには微妙な違いや強み・弱みがあります。選ぶテキストによっては、合否を左右することがあるかもしれません。
テキストを選ぶポイントは主に4点挙げられます。
- 合格に必要な知識が網羅されている
- 勉強が苦手な方は図解やイラストが豊富なテキストを選ぶ
- 参考書・テキストは1種類のみ利用すること
- 参考書の購入前にサンプルをチェックし内容を確認
それぞれ詳しく見ていきましょう。
行政書士試験のテキスト選びで最も大切なことは「合格に必要な知識が網羅されていること」です。
しっかりと網羅されていれば『このテキストだけで合格できる』という安心感を持ちながら勉強を続けていくことができます。
逆に、内容量が少なく厳選された知識だけを扱ったテキストを選ぶと、勉強中に「この知識だけで合格できるのかな?」と不安に感じ、学習効率が下がってしまいます。
特に、試験の直前に過去問を解いた際「試験で初めて見る問題」に遭遇すると焦りやストレスを感じてしまうでしょう。
ただし、内容が多ければ良いというわけではありません。
行政書士試験は広範囲に渡る知識が問われますが、全ての科目で深い内容を理解する必要はありません。
試験の合格に必要な基本的な知識を身に着けることが大切です。そのため、必要な範囲を適切なレベルで学べるテキストを選ぶことが大切です。
また、大手の予備校が出版しているテキストは、教材開発に力を入れており、最小限の勉強で合格に必要な知識を習得できるように工夫されています。実績のある予備校が出版したテキストは信頼性も高く安心して勉強できるでしょう。
勉強が苦手な方や不安のある方は、図解やイラストが多いテキストを選ぶのがおすすめです。
行政書士試験で求められる法律の知識は難解な部分が多く、理解しにくい箇所もあります。
特に法律書学者の方にとっては、学習が挫折しやすいポイントでもあります。そこで、図解やイラストが多いテキストを選ぶことで、難しい法律の概念や事例を分かりやすく視覚的に学ぶことができます。
実生活に当てはめて覚えることができるため、勉強のモチベーションも高まり、継続しやすくなります。
一方で、大学で法律の勉強をしてきた方や司法試験や司法書士試験の勉強をしてきた方からすると、図解やイラストが多いテキストは勉強しにくいと感じることがあります。
こうした方には、装飾の少ないシンプルで学術的なテキストを選ぶのがいいでしょう。
行政書士試験の参考書・テキストは1種類のみ利用しましょう。
勉強をしていると、様々な不安が湧いてきます。「他の合格者が使っていた参考書が気になる」「あの参考書で勉強した方が効率がいいかもしれない」と思うこともあるでしょう。
しかし、行政書士試験に限らず勉強においては1冊の参考書を完璧に覚えることが大切です。
複数の参考書を使うと、知識が定着しにくく学習効率が下がってしまいます。自分が選んだテキストを信じて最後まで使い続けていきましょう。
そのため、テキスト選びは吟味して慎重に選ぶことが大切です。
もし試験に落ちてしまい、来年も挑戦する場合であっても、同じ参考書を使い続けることをおすすめします。繰り返し勉強することで、知識の定着が深まり、理解できていなかった部分を補強することができます。
ただし、どうしても成績が伸び悩んでいる場合は、別の参考書に変えてみるのも一つの手です。
同じ内容であっても、参考書によっては異なる角度からの解説があり、理解に役立つこともあるでしょう。ただし、参考書を切り替えるのは勉強がひと段落もしくは新たに始める時に行いましょう。
参考書(テキスト)と過去問はセットで利用しましょう。
基本的に、テキストと過去問は分かれており別々に購入します。その際、同じ出版社やシリーズで購入することをおすすめします。
同じシリーズであれば、テキストと過去問の内容がしっかりとリンクしています。例えば、過去問に出てきた問題に関する解説がテキストに載っている場合、どのページにその解説があるのかをすぐに調べることができます。
問題を解いた後、間違えた箇所をすぐに確認し、テキストで理解を深めることができます。さらに、周辺知識も強化できるため、より確実に記憶を定着させることができるでしょう。
過去問を解く際は、単に正解すれば良いというわけではありません。
全ての選択肢について何が間違っているのかを解説できるようになる必要があります。なぜその選択肢が正しいのか、また他の選択肢がなぜ間違いなのかを理解することが、試験の本番で高得点を取るために大切です。
過去問を解いた後に、正解の根拠をテキストで確認して理解を深めておきましょう。
気になった参考書を見つけたら、必ずサンプルをチェックしたり試し読みをしておきましょう。
例えば、Amazonではオンライン上で参考書や過去問の一部を見ることができます。参考書のボリュームや図解・イラストの多さなど見ておきましょう。過去問は、どのくらい丁寧に解説されているのかが重要なポイントです。
本屋に行かずともスマホやパソコンですぐに確認できるため便利です。購入後に「思っていたものと違った」といったことがないように確認しておきましょう。
予備校に通わずに、参考書やテキストのみで勉強を進めていきたい人は予算1万円を目安にテキストを用意していきましょう。合格に必要なテキストは3種類に分かれます。
- 基本テキスト
- 問題集
- 過去問
基本書テキスト、問題集、過去問ともに約3千円で購入できます。他にも一問一答集や肢別問題集などがありますが、基本的には無くても合格を目指せます。
テキストの種類が多くなると勉強効率が下がってしまうことがあります。テキストはなるべく少なくし、一つのテキストを完璧に覚える方が合格に近づきやすくなるでしょう。
予備校と比較すると、テキスト中心の勉強がいかに安いかが分かります。
勉強方法 | 費用 |
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独学 | 約1万円 |
予備校(伊藤塾) | 約20万円 |
通信講座(アガルート) | 約17万円 |
通信講座(スタディング) | 約3万5千円 |
一方で、最近はオンライン専門の通信講座が独学に近い料金で安く活用できるとして人気があります。
テキストだけでなく、動画講義で効率的に勉強してみたいと思う方は、併せて通信講座もチェックしてみるといいでしょう。
独学者に人気の参考書・テキスト3選

行政書士試験を独学で挑む際、参考書やテキスト選びは慎重に行いましょう。
市販の有名なテキストであれば、合格に必要な知識は十分得られます。各テキストにはそれぞれ特徴やこだわりがあります。テキストの特徴を掴み自分にあったものを選びましょう。
合格者の多くが利用している定番の参考書を3つご紹介します。
- 出る順行政書士
- 合格革命 行政書士 基本テキスト
- みんなが欲しかった! 行政書士の教科書
いずれも「東京リーガルマインド(LEC)」「早稲田経営出版(TAC出版)」といった法律資格ではお馴染みの大手予備校から出版されています。
平易な文章で分かりやすくかつ合格に必要な知識が得られる人気の参考書です。行政書士の参考書はこの3つから好きなものを選ぶのがいいでしょう。
各参考書の特徴とおすすめの人をまとめると下記のとおりです。
参考書名 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
出る順行政書士 | 定番の人気参考書 疲れにくいデザイン | 法律の勉強が好きな人 |
合格革命 | 全ページフルカラー 初学者も勉強しやすい | 法律初学者の人 |
みんなが欲しかった! 行政書士の教科書 | ポップなデザイン 漫画のように読める | 楽しく勉強したい人 |
それぞれの参考書について詳しく見ていきましょう。

出版社 | 東京リーガルマインド |
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ページ数 | 1,064 |
「出る順行政書士 合格基本書」は、東京リーガルマインドLECの出版です。
LECは、法律資格の有名予備校です。行政書士試験のみならず、長年にわたり司法試験の教材開発も手がけています。そのため、法律に関する解説には定評があります。
「出る順行政書士」は、シンプルで落ち着いた配色です。薄い青を基調としていて、多色使いが苦手な人にも集中して学習しやすいデザインです。
薄い青色のテキストは派手な色合いのものと比べて、目が疲れにくく長時間勉強するのにも適しています。
解説も分かりやすく初学者にも理解しやすいといえます。「出る順行政書士」は、独学に最もおすすめの参考書です。
- 薄い青を基調とした疲れにくいデザイン
- イラストと図を多用し理解しやすい

出版社 | 早稲田経営出版 |
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ページ数 | 1,164 |
「合格革命 行政書士 基本テキスト」は、早稲田経営出版(TAC出版)の定番テキストです。
このテキストは、独学での合格をコンセプトにしたテキストであり、初学者でも勉強しやすい工夫がなされています。
内容は初心者にも分かりやすいように丁寧に説明されており、法律の基礎から詳しく学ぶことができます。
テーマごとに確認テストが用意されており、テキストを読んだ直後にアウトプットの練習ができます。
- 全ページフルカラー
- 基礎テキストと過去問がリンクし復習しやすい
「基本テキスト」「肢別過去問集」「基本問題集」の3セットをマスターすることで合格を狙えるでしょう。
過去問集と問題集は、左ページに問題があり、右ページに解答があります。右ページを隠しながら問題を解き、すぐに回答を確認できるため勉強のしやすさがポイントです。

出版社 | TAC出版 |
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ページ数 | 1,228 |
「みんなが欲しかった!行政書士の教科書」は、通学予備校として有名なTACのテキストです。
このシリーズは、簿記などの比較的取得しやすい資格試験で人気を集めています。
フルカラーで制作されており、イラストや図表を多用しているため、重苦しく感じられがちな法律の勉強をより身近に感じさせ、勉強しやすい工夫がされています。
分かりやすい図解やイラストが多く利用されており、まるで漫画を読んでいるように楽しみながら勉強できます。
一方で、配色が多いため好みが分かれることもあります。気になる方は、まずは試し読みをしてみましょう。
- ポップなデザインが特徴
- 図解イラストが最も多く漫画の様に読める
市販テキストで独学をする前に見ておきたい参考書
市販のテキストを使って独学で勉強する方は、自己流の方法で学習することになるでしょう。大学受験や他の資格試験で結果を出している方は、その勉強方法を続けても問題ありません。
しかし、勉強に不安がある方や、合格の可能性を高めるために効率的に勉強したい方には、勉強法に関する参考書を1冊読んでおくことをおすすめします。
行政書士試験には単純な暗記が必要な部分もありますが、効率的な暗記方法や勉強のモチベーションを維持する方法を学ぶことができます。

累計12万部売れた「効率的な勉強法」が学べる参考書です。科学的な見地から効率的な勉強法について解説しています。
行政書士試験においても活用できる考え方やテクニックが多く詰まっています。昨今、重視されているアウトプット演習の重要性が分かります。
行政書士試験では、インプットを重視して勉強した気になっただけでは合格は難しいでしょう。本番の難しい問題を正答するには、適切な量のアウトプット演習が必須です。

やる気や集中力を維持する方法や目標・時間管理まで勉強に関するテクニックを余すことなく学べます。塾講師による解説であり、試験勉強に特化した勉強法について解説しているのが特徴です。
文章が読みやすいため、行政書士試験の勉強を始める前に1〜2時間勉強法について学んでおけば、効率よく学習を進めることができるでしょう。