1951年(昭和26年)2月22日に行政書士法が公布され、同年3月1日に実施されました。それにちなんで2月22日は「行政書士記念日」とされていますが、実は私たちが一般社団法人行政書士の学校を設立したのもこの日です。2013年の設立から早11年が経過しました。
2月22日は各単位会でもイベントや相談会などを実施しPRを活動を行っていますが、実際どれくらいの方が「行政書士」の存在を知っているでしょうか?行政書士の認知度について考えてみたいと思います。
行政書士という仕事は知られていない
「行政書士」という制度が生まれて70年以上が経っているわけですが、正直言うと行政書士という仕事は殆ど知られていないのが現状ではないでしょうか。
これを読んでいる行政書士の皆さんや行政書士を志している皆さんでさえ、「昔から行政書士のことはよく知っていた!」という人は稀なのではないかと思います。
税理士なら税務、弁護士は裁判、司法書士は登記・・・など、それぞれの士業にイメージしやすい仕事がありますが、行政書士という仕事は業務範囲が広すぎて、コレ!という印象が薄いんですね。
つまり「行政書士といえば◯◯」ということが言いにくい状況になってしまっています。
許認可だけでも1万種類以上あると言われますが、それに加えて相続や後見などの市民法務、株式会社やNPO法人などの設立業務、外国人のビザに関する手続きなども全て我々行政書士の業務範囲。
だからこそ一般の方には行政書士がどんな仕事をしているのか、わかりにくいのは仕方がないことなのかもしれません。
そんな行政書士という仕事ですが、一躍認知されるようになったのは間違いなくこの漫画の登場といえるでしょう。
漫画も売れていましたが、テレビドラマ化されたのが非常に大きい出来事でした。しかも、出演している俳優さんも超一流。
実はこのドラマが放映されてから約10年で行政書士の登録者が1万人増えていますが、圧倒的な登録者数の増加についてはやはりこの漫画の影響が大きかったのではないかと思います。
2018年に原作者の田島先生とお会いした際は、まずは行政書士という仕事を社会に広めてくださったことに感謝の気持ちを伝えさせていただきました。
行政書士の存在を世の中に広める
どんなに素晴らしいサービスも、どんなに社会に貢献できる仕事でも、知っていただかなくては活用されません。行政書士がどんな仕事をしているか知られていないことと、業界の売上規模は密接に関連しているでしょう。
2018年時点で、行政書士の市場規模は421億円でした。社会保険労務士が1,126億円、会計士・税理士が1兆6,514億円です。登録人数が同じではないとは言え、圧倒的に全体の市場規模が小さいことがわかります。
その差を生んでいる根本原因の一つは、やはり認知度なのではないかと僕は考えます。
行政書士は歴史ある国家資格とはいえ、まだまだ社会の認知は低いです。
建設業許可、外国人ビザ、そういった特定の事業者からの需要に応える業務だけではなく、例えば補助金、融資、相続など幅広い事業者や一般市民からのニーズがある業務では、特に行政書士の存在をアピールしていくべきです。
さらに相続や離婚など他士業が多く関与する業務では、街の法律家である行政書士がフロントに立ち、ハブの役割を果たしても良いのではないでしょうか。そのためにはまず「相続で困ったら行政書士」「離婚で悩んだら行政書士」という風に、広く認知されていく必要があります。
Web2.0時代の到来以降個人での発信が容易となった今では、我々行政書士一人ひとりが、SNSやブログを通じて発信ができます。
漫画やテレビドラマほどの影響は持てないとしても、行政書士がどんな仕事ができるのか、何を依頼できるのかを発信していくことが、市場認知に繋がり、結果として業界の活性化や規模の拡大につながります。つまり、ひいてはそれぞれの行政書士の収入が上がることにもつながるのです。
「自身の営業のため」という視点だけではなく、「業界の発展のため」という少し広い視点を意識して、情報発信に取り組んでみてはいかがでしょうか。