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名刺で差をつける!低予算で叶う行政書士のための名刺作成術

独立開業を考えている新人行政書士にとって、名刺はビジネスにおける重要な営業ツールとなります。

名刺は、自身の専門性や事業の信頼性をアピールするために欠かせない存在です。しかし、意外と「とりあえず名刺交換で困らなければいいや」くらいの考えで、あまりデザインや内容にこだわらない名刺を持っている方も多いものです。

折角作成した名刺がただの紙切れにならないよう、効果的なテクニックを学び、独立開業の成功に一歩近づきましょう!

名刺の役割とその重要性

初対面での印象作り

まず大前提として、行政書士の名刺は初対面のクライアントや同業者に向けて専門性や信頼性、そして人柄などパーソナルな情報をコンパクトにまとめてアピールする重要なツールです。

どのようなことが出来るかを認識してもらい、そしてどのような人間なのかを覚えていただくこと、そして必要なときに思い出していただくことが最大の目的となります。

ラクスルオンラインデザインより引用

どちらの名刺が印象に残るか、並べて比べてみると明白ですね。

名刺交換の意義と効果

日本において名刺交換は古くからの商慣習であり、「形式的なもの」と捉えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、初めましての方と交わす名刺はその後のコミュニケーションの入り口となるものですし、これから開業し事業を大きくしていこうと考えている行政書士にとっては、自分の小さな分身のようなものであるとも言えます。

他の人と差別化を図る名刺のアイデア

行政書士の名刺どれも似すぎ問題

既に独立開業し、多くの方と名刺交換の経験がある方なら共感できることだと思いますが、実は多くの行政書士が同じような名刺を使っているといった現状があります。

校長
校長

僕は多分日本一行政書士に会っていると思いますが、行政書士の名刺は驚くほどみんな似ています。大体が白地に黒文字のシンプルなデザインで、レイアウトも同じような感じです。

なぜ開業時期も場所も違う行政書士が、それぞれ同じような名刺を使っているのかというと、実は理由があります。

行政書士は都道府県ごとに設置されている単位会で登録を行いますが、単位会によっては新入会員に対して名刺の斡旋販売を行なっており、そのデザインがシンプルで概ね共通したようなものであることが多いのです。

また行政書士登録後には全行団のHPで簡単に名刺の発注ができるため、それらのサービスを利用している方が多いことも予想されます。

あまり作成に時間をかけていられない場合は、上記全行団の印刷サービスも便利かもしれません。必要事項を入力するだけなのでデザインの手間は省けます。購入から1~2週間ほどで届くようです。

とにかく差別化を図る

たとえば士業の多い交流会で、「白地に黒文字のシンプルな名刺」を渡されたとします。

しかし、そんな名刺を渡されたとして覚えて貰えるでしょうか?そして、何かあったときに思い出してもらえるでしょうか。

校長
校長

印象に残らない名刺は、残念ながら良い営業ツールとは言えません。

数多くの行政書士の中で、「誰なのか」そして「何ができるのか」を覚えて頂く必要があるのです。だからこそ、名刺の差別化を図る必要があります。

顔写真やロゴマークの活用

最も手っ取り早いのは、顔写真入りの名刺にすることです。

顔出しに抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、名刺だけでなくホームページにも顔写真はあったほうがいいですし、それだけで覚えられる可能性がぐっと高まります。

何よりも後で名刺を見返したときに記憶と紐づけて思い出しやすいといったメリットがあります。

名刺に使用する写真は、証明写真のようなこわばったものではなく、自然な感じで撮った写真をおすすめします。スマートフォンで手軽に高画質な写真が撮れる時代ですから、天気の良い日に家族や友人などに撮ってもらっただけでも十分な宣材写真になります。

また、最初からロゴマークを作って開業する方は決して多くは無いと思いますが、用意できる場合はロゴも入れると会話のきっかけにもなりやすいのでおすすめです。

独自のデザインやカラー

名刺のデザインや色選びは、ぱっと見の第一印象を決める重要な要素です。自分自身や目指したい事務所のイメージに合ったカラーを選ぶだけでも、少なくとも「白地に黒文字」名刺は脱することができるのではないでしょうか。

自分が大好きな色を選んでも良いですし、熱意をイメージした赤誠実さを表した青、など自分が目指す姿とリンクするような色を選ぶのもおすすめです。

デザインに関しては、例えばビザを扱う場合は外国人に渡すことも想定して和テイストにしてみる、産業廃棄物関連の業務をやりたいなら再生紙などのリサイクル素材を使ってみる、といった取り組みも面白いかもしれません。

プロフィールやキャッチコピーの追加

「差別化」といった意味合いでは、ユニークな情報やキャッチコピーを追加することも効果的です。

例えば、「日本一”親切な”行政書士」と名刺にキャッチコピーが載っていたら、とても目を引かれませんか?興味を引くキャッチコピーは、それだけで記憶に残りやすいのでおすすめです。(ちなみにこの「日本一”親切な”行政書士」の話は実話です!)

また、開業前後など「まだ大して書けることが無くて・・・」という場合は、趣味などのプロフィールを書いてみるのも一案です。

〇〇出身、登山が好き、サッカーが好き、鉄道が好き・・・など、一見業務に関係ないことでも、案外話すきっかけになるものです。そしてそこから思いがけない仕事に繋がることがあるのも、業務範囲が広い行政書士の面白さでもあります。

低予算で効果的な名刺作成のコツ

名刺を作るタイミング

行政書士の登録証交付式までには、最低限簡易な名刺を作成しておくことをおすすめします。なぜならば、交付式では同期の行政書士や同じ支部の先輩方と名刺交換をする機会があるからです。

登録前の名刺には、「行政書士」という肩書きを書いてはいけません。必ず「開業準備中」であったり「行政書士登録申請中」と書きましょう。

オンライン印刷サービスの活用

少量の名刺印刷の場合、専用の用紙を使い自宅のプリンターで刷ることも可能ですが、プリンターの性能に出来上がりの質が左右されやすいためあまりおすすめできません。

おすすめはオンラインで注文できるネット印刷サービスですが、特に安くておすすめなのが「ラクスル」です。

なんと100部で税込499円〜(2023年12月現在)という安さ!発送の速さや印刷の質も申し分ないので、ぜひ検討してほしいサービスです。

デザインテンプレートの活用

「ラクスル」には無料で使えるテンプレートが多くあり、デザインセンスに自信がない人でも困ることがありません。写真やイラスト入りの名刺にできるテンプレートもあるのでぜひ活用してみましょう。

ラクスルオンラインデザインより引用

予算に余裕がある場合など、プロにデザインを依頼したいということもあるかもしれません。その場合は使いたい印刷サービスを事前に伝えておくと、入稿に適した形で名刺データを納品してくれることがあります。

名刺に記載すること

最低限名刺に入れておきたい情報をまとめておきますので、自分で名刺をデザインする時は漏れがないかチェックしてみてください!

  • 名前
  • 事務所名
  • 肩書き(登録前は「行政書士」と書かないように!)
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス

これに加えて、以下の+αの情報を入れることで差別化を図りましょう。

  • プロフィール
  • 取り扱い業務
  • SNSのアカウント
  • HPやブログのリンク(QRコード化もおすすめ)
  • 事務所の地図
  • 顔写真や似顔絵イラスト

発展編:紙質にこだわってみる

名刺は紙質や厚みによっても印象が変わります。少しこだわったものを作りたい方は、紙質や厚みを意識してみてはいかがでしょうか。

紙の種類について

名刺で良く使用されるのは「マット紙」もしくは「上質紙」です。マット紙は自体は艶消しで反射の少ない紙ですが、インクが載った部分は以下の画像のようにツヤが出ます。青みがかった白い紙なので、色も綺麗に発色します。

一方、上質紙は少し黄みがかった用紙で落ち着いた風合いに仕上がります。場合によっては「思っていた色と違う」と感じることもあるかもしれませんが、マット紙に比べてざらっとしているため鉛筆での書き込みも可能です(一般的なハガキの紙質に近いです)。

事前に実際の質感を確認したい場合は無料印刷サンプルの請求がおすすめです!

厚みについて

紙の厚さは○○kgという単位を用いて表されます。数値が低いほど薄い紙、高いほど厚い紙になります。紙の厚みも色々あるため初めて自分で印刷するときは悩んでしまうかもしれませんが、名刺の厚みは220kg程度がおすすめです。

紙質のまとめ

鮮やかでややツヤのある仕上がりが好みならマット紙、鉛筆の書き込みもしやすい落ち着いた紙質をイメージするなら上質紙。名刺の場合、厚みは220kgくらいがおすすめです。迷ったら無料サンプル請求を!

名刺作成のまとめ

名刺は自分の分身!

誰に渡すのか?どういう風に覚えてもらいたいのか?受け取る人には何が響くのか?「とりあえず」の名刺を作る前に、一度受け取る側の立場に立って、どんな名刺が良いのか考えてみましょう。

たかが名刺ですが、されど名刺でもあります。一番身近な営業ツールを徹底的に考えることで、名刺は紙切れから武器になります。

できる限りで自分らしさを

クライアントや相談者だけでなく、同業者に渡すことも多い名刺。むしろ開業時期には交流会やセミナーなどで同業に配ることの方が多いかもしれません。

そんな中でも自分という人間を覚えてもらうために最大限の工夫をし、素敵な名刺を作りましょう!